中国人のスパイ行為が目立ってきた事に対する考察【前編】



このしばらくの、アメリカやフィリピンに於ける中国のスパイ活動と報道された件について、自分なりの考察を綴ります。


まず最近ではこのフィリピンでのアリス・グオ氏の事件が最も鮮烈だったと言えるでしょう。
この逃亡劇に関してはフィリピンのYouTuberであるエドワード氏の【エドちゃんねる Ed Channel Philippines】情報発信が最も精度が高い情報でした。
こちらのリンクからご覧ください→ エドちゃんねる Ed Channel Philippines

そして今朝はアメリカはニューヨークから激震!


これらを中国の諜報活動が活発になったと見るか?
それとも各国の取締りが厳しくなったのか?
と言う点から見ると、確実に後者「取締りが厳しくなった」と言えるのではないか?と思うのです。

なぜならフィリピンのアリス・グオも、ニューヨークで捕まったリンダ・サン被告も、それぞれの国で行政や政治の中枢にガッツリと食い込み、それ相応の地位を築いているからです。

それは一日では成立しない話しでしょうし、時間を掛けて入念に入り込んだからこそ、結果的に今回のように大きな問題になった訳です。

ところがこの二つの事件を詳細に見ていくと、根本的に違う部分が見えてくるのです。

まずアリス・グオ。



この人の場合は自身が政治家として、フィリピンのバンバンと言う小さな町の町長にまでなっていた訳です。ところがこの人物は現在、背乗りの疑いが濃く、実際にPOGO(オンラインカジノ)に関わり、フィリピン内で相当な人脈を作っていたと考えられております。

被害者が800人を超す人身売買事件の捜査の中でこのアリス・グオが浮上した事が、事件化した事へのきっかけでした。中国人の郭 華萍(グオ・ファーピン)と同一人物である事が確定しており、その人物は福建省の出身であると特定されております。

こうなると中国ウォッチャーはすぐにこのアリス事件と、ニューヨークの事件とは似て非なるバックグラウンドを持っている事に気がつくでしょう。

出身地差別はマズイとしても、福建省と聞くとやはりあの犯罪シンジゲートを思い浮かべるのはむしろ当然でしょう。

大阪の十三に蔓延る中国人ネットワークも、日本で裏社会を席巻したチャイニーズドラゴンも皆、福建人が中心となっています。
マカオでも福建人は「運び屋」と呼ばれており、評判は頗る良くない。また残酷な殺し方をする事でも有名。少し歳をいった方なら「蛇頭」と呼んだ方がわかりやすいかも知れない。

今回のフィリピンでの事件は前述の通り、主に人身売買事件の摘発がきっかけである。フィリピンでオンラインカジノ(POGO)を仕切る中国人の集団はカンボジア等でもその勢力を拡大しており、金融詐欺・マネーロンダリング・売買春・人身売買・誘拐・拷問・殺人と、あらゆる犯罪に加担しているとされている。

実は我々日本人も無関係では無く、カンボジアでもこの様な事件が頻発している。


これらの首謀者、上層部は中国人であり、ミャンマー・カンボジア・フィリピンのこの手の犯罪組織はほぼ繋がっている…と言うより、同一であろうと見ている。それにはそれ相応の理由があるが、それは最後に述べる。

そう考えるとこのアリス・グオ、おそらくフィリピン人の背乗りをし、成りすましの人物となり、何らかの力を使って地方の町のトップに立った。

あくまでも個人的見解だが、政治的背景色はあまり無いのではないか?と思う。むしろ福建(犯罪)コミュニティの防人としての役を果たしていたのではないか?と思われる。
東南アジアの裏社会での違法カジノに於ける中国人の暗躍は、習政権にとって、そのメンツに最も大量の泥を塗りたくる集団であり、中国政府にとってアタマの痛い問題である。

そう考えるとこのアリス問題は、フィリピン側の問題として片付けても問題はないのではないか?と思うが、他方、東南アジアに蔓延る華僑犯罪ネットワークの存在の危うさを露呈させた事は間違い無い。

【続く】

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