想いと認識とのズレ



 マカオのベネチアンで開催されていたMITE(マカオ国際旅遊(産業)博覧会)に行ってきた。中国ほぼ全土からの地域観光庁と、マカオからのインバウンドを狙って日本からも出展していた。

一瞬話しは変わるが、こんなニュースが出た。


 香港の国安庁が海外にいる香港人、それは国安法に違反したとされている人物たちにかけられた容疑で、実に100万香港ドルの懸賞金を懸けた大捕物事件へと発展している。

 最近、中国の各省が観光誘致に力を入れている。日本人を雇ってTwitterに広告出しまくりの状態だ。そして不思議な事に、このイベントMITEの終わりと同時にこのTwitterキャンペーンはピタリと終わった。

しかしそれとは裏腹に、そこへ観光に行こうと言う人は極めて少ない。



 一方で昨日のMITE、旅行社が日本やタイ・ベトナムやマレーシアへのチケット販売は大盛況でソールドアウト状態。


 一方で中国各省の観光庁ブースは、ほとんど人がいない状態が開催期間中、ずっと続いていた。


自分の認識では1996年、初めて中国に行ったあの時期とよく似ている。

 あの時、電通の仕事で市場調査で珠海に初めて来た。カメラを持っているだけで、人々が熱い視線を送ってくるような時代だ。まして自分はビデオカメラを持っていたから、まだもの珍しく覗き込むように見てくる。



 そんな時にグランドスタンド裏で全体の景色を撮っていたら、横にいた女の子が懸命に覗き込んできた。年の頃は23-4くらいかな?

 少しだけ英語が話せる子だったので話をした。
そしてレースが終わるとピット裏でパーティーがあるから「来る?」と聞いた。するとその子は「え!パーティー!行きたーい!」となった。

 初めて外人と話した、と言い、何もかも初めてだと目をキラキラさせていた。すると横にいたもう一人が首を横に振る。


 やがて彼女たちは迎えにきたワンボックスカー、その車体には「公安」と書かれた車輌に乗って帰った。ドアが閉まる前に目が合った。

彼女は小さく下の方で手を振った。あの悲しそうな顔は一生忘れる事は無い。公安のスパイだったんだろうと分かり、ゾッとした。

あれから四半世紀以上、数えると27年も経っている。

結論。

 やはり共産国は共産国でしかなかった、と言うこと。それ以上の発展や成長は無い。