武漢市を流れる長江のコンテナヤード |
この辺りをどうやって纏めようかな?と思っていたところ、ちょうど良い動画がUPされておりました。
→動画が削除されておりました
この動画の中で松井一郎は「一帯一路の根幹とは国際金融です(0:33〜)」と鮮やかに間違えた珍説を唱えております。
一帯一路は習近平が2013年9月7日にカザフスタン・ナザルバエフ大学に於いて演説をした際に発したシルクロード経済ベルト構築に端を発し、翌年11月10日に北京で開催されたAPECの席上で習近平が提唱。中国からユーラシア大陸を経由、してヨーロッパへとつながる「シルクロード経済ベルト」(一帯)。
中国沿岸部から東南アジアをまわり、アラビア半島を経てアフリカを結ぶ21世紀海上シルクロード」(一路)の二つのラインを統合し、これを「一帯一路」と呼んだ。
このラインを基軸に
- インフラ
- 貿易
- 金融
を促進し、統合的な経済圏を作る計画を一帯一路と命名しております。
その中の1パートである金融政策の一環がAIIB(アジアインフラ投資銀行) 。それは一環であって全てでは無い。事実、日本政府は「日本国内で無ければ関わって良い」としており、いい顔はされないものの、大阪ガスが東南アジアでAIIBと共に事業参加している。
ちょうど上海電力問題で山口敬之氏がHanada Plusでその部分を書いており、こちらになります。
この中で重要な当postに係る部分を引用すると…
日本も一帯一路の危険性についてはアメリカ政府と問題意識を共有しており、2019年3月の参院予算審議で当時の安倍晋三首相は一帯一路構想について、日本が協力するには、・プロジェクトの開放性、
・透明性、
・経済性、
・財政健全性、
の4条件を満たす必要があるとの認識を示している。同じ頃、麻生太郎副総理兼財務大臣は、「サラ金の多重債務と同じだ」と、中国の一帯一路の金融支援の現状をはっきりと批判した。ある国が一帯一路に参加するかどうかは、その国の行政・立法機関で侃侃諤諤(かんかんがくがく)の議論が行われて、慎重な検討の末に参加の可否が決定されるべきものである。
そして参加するのであればその形態、中国による侵略の意図の継続的検証など、国民の生命と財産を守る安全保障の観点からの自衛策は不可欠となる。
と、明言。
これは上記動画にある松井一郎の説明とは明確に異なっております。松井一郎はこの動画の中で、明らかに「政府の見解として〜」(0:55〜)と語っているわけであり、これは当時の首相を中心とする政府見解とは明らかに異なっております。このあたりを追求すべきと考えます。
さてここで松井一郎の「一帯一路はAIIBだ」と言う発言がデタラメであることを証明しなければなりません。
AIIBは2013年に中国が発表し(Not 習近平)、2016年にスタートをしました。日本・米国は当初から参加を見送っております。一帯一路の金融政策の部分に於いてAIIBを活用する目論見はあるものの、正式にその様に明言している訳ではありません。
また現在はAIIBの資金が枯渇しているとも報じられており、中国が香港を取りに行った一つの理由が、枯渇した外貨の獲得だったと言う話しが風説であったとしても、なんとなく腑に落ちるところではあります。
他方で中国の場合、後から「これは一帯一路です」と言い出す事がしばしばあります。一番わかりやすい例で言うと上海電力日本がそれであり、2014年5月に稼働しその暫くの間は〝上海電力=一帯一路〟と言う文字は姿も形も表れませんでした。
ところが2017年12月28日。
突然、中国人民政府からプレスリリースが発布され「一帯一路エネルギーサイトを立ち上げた」と発表しました。
なぜか日付が前後して12月21日付で、世界における中国の一帯一路に基づいたエネルギー政策の現状のリポートが掲載。
そして咲洲メガソーラーや兵庫の三田のメガソーラーが紹介され、こうして後から発表されると、G7各国や実際に一帯一路で中国の被害を受けた国などから、日本自体が大きな誤解を受ける事になります。
つまり松井一郎の発言は明らかに、政府の現状の公式見解とは異なるもので、これは国会に松井一郎を呼んで発言の趣旨や根拠を問いただすべきでしょう。
そしてトドメは1:50からのこの発言。
「荷物の情報交換」
実は今回、このpostをテーマの後半として、日本に於ける一帯一路の危険のポイントを解説したかったのですが、松井一郎が余計な事を言った為、どうしてもこの発言の間違いを指摘しなければ前へ進めなくなったのが現状です。しかしこの問題の最大のテーマを自ら言ってくれたのは非常にラッキーでもあったし、こちらから見たら「口が滑ったな」と思うものであります。
2021年の春先。
マカオ政府が発した奇妙な案内。
〝政府からのプレゼント〟
はつまるところ、中国製品をマカオ製と表記できますよ、と言う産地ロンダリングでした。これに対し米国政府はすぐに反応し「それはマカオ製と書いてあっても中国製だ!」と譲りませんでした。またこれに乗る会社は少なくともマカオには現れませんでした。
しかし時系列を遡ると、その後、中国政府はすぐに大阪に港湾パートナーシップの話しを持ちかけた訳で、まさかと思ったものの、こちらでコケた貿易ロンダリングを日本の大阪に持ち込むとは思いも寄りませんでした。
松井一郎の言う
「荷物の情報交換」
これがまさに、物流の産地ロンダリング。
以下、後編では
〝日本に於ける最も危険な一帯一路の問題ー貿易ロンダリング。その仕組みと目的〟
について、証拠写真を付けてその手口を紹介します。