統一教会問題がまるで戦後の亡霊、と言うより生霊の様にド派手に彷徨っていますが、実は米国も同様の問題に悩まされて続けていたのを覚えていますか?
戦勝国の米国でさえ、悩まされたんです。まして敗戦国で、尚且つその敗戦後も国内で共産主義と戦わなければならなかった日本にとって、当時としては避けては通れない流れだったと考えます。
ある側面は日本国内に於いて、戦後に暴力団組織が生成されていった事と側面は似ています。と言うより、これは山口組の歴史そのものと言って良いでしょう。それは国内で傍若無人に暴れ回る、半島の連中を押さえ込む為の防御策に立ち上がった自警団にそのルーツを見る事ができます。
戦後、米国は勢力を拡大するいわゆる旧東側の勢力に警戒心をMAXに募らせます。その結果、CIAの対東側工作資金があらゆる手段で世界中に流れていく事になります。
話しは飛んで1990年初頭。
バブル全盛期の日本から、一人の人物がF1グランプリへの参加を果たします。しかし彼は結果的にチームを破綻に追い込んでしまい、撤退を余儀なくされます。
その彼、名前をNさんとしておきましょう。
Nさんが F1撤退の間際、他のF1チームのオーナーからこんな事を聞かされます。曰く「どうして◯◯銀行を使わなかったんだ?」
この銀行の名前は自分も記憶がありました。
その名前を初めて見たのは1979年、前年世界タイトルを獲りながらも、イタリアGPで起きた悲劇的な事故の悪影響で、メインスポンサーであるB.A.T.(British American tabaco)のワンブランドであるJohn Player Specialを失ったロータスの車体に貼ってありました。
推測ですが、この事故でのイメージダウンが避けられないものになり、B.A.T.(JPS)は撤退したのでは?と思われます。
翌1979年にTeam LOTUSの車体にこの銀行のロゴを見る事が出来ます。
しかし〝BANCO INTERNACIONAL〟と書かれたそれは、わずか数レースで姿を消し、変わって石油取引所とされているESSEXに取って変わられました。
中学生か高校生だった自分は「F1って凄いな!世界的な銀行や石油会社がスポンサーになるんだ!」と無邪気に感動していた。バカですね。ボケです。
ロータスだけならまだしも、あのPORSCHEにもスポンサーしていましたから「凄い石油会社だ!」なんて真剣に思ってました。
そのN氏がある雑誌でこう語りました。
「もう資金的に万策尽きてから聞いたんですが、F1の連中、いや他の世界的な企業って皆んなケイマンにあるとある銀行を使っているって教えられたんですよ。その銀行って例えば10億預金しますよね?一年後、運用が上手くいったという事で元金と同額の利子が付くんですよ?信じられないでしょ?
なぜそうなっているかと言うと、世界には普通の銀行では決済できない取引きってあるんです。例えばA国が戦闘機をB国に売りたい。しかし直接売ると外交上の問題になったりする。そこでA-B国間で直接取引せずに間にC国を挟んだりするんです。
ところがA国とC国は外交が無かったり、あるいは取引き、ましてそれが武器の売買に関わっていたとなると、これは些か旗色が悪い。そう言う取引きにこう言うケイマンの銀行が使われるんです。」
「例えば戦闘機。一機100億円(当時)としましょうか?その決済手数料が1%ととして1億円です。戦闘機って一機だけ買うって無いですよね?その決済手数料って凄いんですよ。この銀行、もちろん窓口なんかありません。オフィスだけの銀行です。いわゆる決済銀行です。表に出せない手数料や利益がとんでも無い金額に膨れ上がるんですよ。」
「そこで彼らが目を付けたのはカネの動きがハデなF1等の国際スポーツなんです。」
この記事を見つけた時、この当時、もう仕事をしていましたが「そんな事あるんか?」と訝ってました。いまならもちろんこう言いますよ。「ある!」と。
実はこの頃、もう一つの得体の知れない会社が立ち上がっていました。
〝Techniques d' Avant Garde〟
なんのこっちゃ?と言われそうですが、腕時計のTAGホイヤーと言ったら分かると思います。
そのTAGの正式名称が〝Techniques d' Avant Garde〟と言うアラブ系のフランス企業で技術投資会社を標榜していました。
この頃(90年前後)になると、自分にもお師匠さんがいて長くフランスで活動していた経験値からあらゆる事を教えてもらえました。
師匠はTAGを「武器商」と呼んでいました。
自分はムッとしながら「え?技術投資会社じゃないの?」と聞くと、師匠はニヤニヤするだけで答えません。
一般的にウイリアムズはこの様なサクセスストーリーでTAGのスポンサーを獲得したと言われています。
1979年、チームはサウジアラビア航空やアルビラッド、TAGなど複数のサウジアラビア企業のスポンサーを獲得し、長年の資金難から脱した。その際、フランクは営業活動でサウジアラビアの王室関係者のオフィスにマシンを運び込み、「このマシンにあなた方の企業名が付いて走ります」と口説いたと言われている。
師匠は畳み掛ける様に続けます。
「よく考えてごらんよ?貧乏チームで毎レースドライバー変えてる様なチームがどうやってニューマシン作れたの?取れるか取れないか分からないスポンサーへのプレゼンで、そんな貧乏チームがわざわざマシンをサウジに運ぶか?VISAは?通関は?ちょっと考えれば分かる話しだろ?」
まだ若かったんです…
凄いサクセスストーリーだと思ったんです。
だってTAGが登場した時、自分まだ中高生でしたから…
かくしてウイリアムズF1の車体にTAGの文字が貼られる…
さらにこの頃、もう一つのブランドが立ち上がっていた。
元ウイリアムズチームのスポンサーだったウォルター・ウルフだ。
ポケットに僅かなカネを入れて新天地へ飛び出し、石油を掘り当てたサクセスストーリー。これも信じていました…
ヘリで移動し、ランボルギーニに自分だけのカウンタックを造らせ、F1チームを持ち、休日はクルーザーで過ごす。
あの当時はすげ〜!でしたが、いまの感覚で言うと成功したAV男優みたいですね。
もう完全に男のロマンじゃ無いですか!
しかし師匠に鍛えられてきた私は、もうある程度、予想が付きます。
なぜならデビュー時、当時ベルギーの王室が持っていた石油会社FINAが貼ってあったのに、いざシーズンが始まると英国のCastrolに変わってる。
ベーリング界の石油とアフリカの石油。
血筋が’違います。
FINAはダイヤモンドの流れもありましたから。
ベルギーってダイヤモンドの…
分かるでしょ?
話しは戻って、つまり石油王って嘘だったと言う事です。
じゃあナニ?
同じく武器商です。
それが事実として、ウォルター・ウルフ自身に十数年ほど前、武器の売買で東ヨーロッパあたりで逮捕状が出ていました。最近は解決した様ですが。
要は1970年代中盤あたりから1980年代に掛けて、CIAの対東側工作資金は世界中にばら撒かれていたのです。
そしてそれは足が付かないよう、様々なロンダリングが施され、表の経済に姿を変えて動いていたのです。
似てません?
統一教会の動き。
CIAから韓国のKCIAに流れていた訳ですよね?
欧州に流れていた工作資金と同じじゃ無いですか。
TAGに流れたカネはタリバンを生み出し、対ロ工作〝アルカイーダ〟を組織し、米国の思惑通りに機能し、成功したかの様に見えました。
しかしその後、米国は致命的なミスを犯します(厳密にはサウジもですが)。
ビンラディンを利用するだけ利用して切った訳なので、それは拗れますよ。
あの9.11が起こるとTAGはすぐに組織変更を行いました。
いまではLVMHのグループの一つになっております。
私は米国の事後処理の問題と、次第に思想だけに傾倒していったビンラディンの悲劇だと思っております。
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そう言う意味では統一教会も同じでは無いでしょうかね?
彼らも生き残るに必死な訳ですよ。
日本政府を構成する政党を助けた、或いは作ってきたと言う自負もあるでしょう。当然、人間ですから野望も膨らみます。
これはあくまでも私見ですが、安倍さんはそこを理解していわゆる〝上手く付き合ってきた〟のでは無いでしょうか?
TAGは上手かった。
なにが?
彼らは事業を押し上げて昇華させたのです。
資金難に喘ぐスイスのホイヤーを買収し、TAGホイヤーとして成功させました。また単純なレーシングチームだったマクラーレンを自動車メーカーにしました。その後はカタール市政庁に株を売り同社から離れましたが。
一方で統一教会はTAGの様に業態チェンジができなかった。
或いは創価学会の様に宗教団体の周辺事業を上手く昇華させれなかった。
旧態然とした霊感商法のままだった。
それが幾度か社会問題を引き起こした。
そこで政治力を使ってすり抜けてきた。
それがいまの結果を招いたのでは無いか?と思うのです。
政治家ですもん。
票が欲しかったら悪魔にだって挨拶行きますよ。
しかし維新の場合は、自民のそれとはちょっと意味合いが違います。
それはそれでまた別の機会に話しましょう。
ちなみにそのESSEX石油。
「実態が無かった」との事で逮捕。
その後のデロリアンのFBIお粗末事件へと続いていきます。
こっちは後処理が上手く行ったそうですね。