令和四年 建設港湾委員会 質疑応答 @上海電力/一帯一路問題 抜粋



2022年5月20日、建設港湾委員会の質疑応答が行われ、議題外質問の中で自民党 山本長助市議から
  • 咲洲地区に於けるメガソーラー事業について
  • 武漢新港とのパートナーシップ港提携について
その他、IR関係もあったが、ここでは省略し、上記の二点についてのリポートと考察。

実際に質問したポイントは
  • 日光エナジー開発が入札条件を満たしていなかった事
  • 日光エナジー開発が入札時に納税証明書を提出していなかった事
  • 咲洲メガソーラーを巡って大阪市の発表に事実と異なる点が散見される事 
  • 落札時に契約条件として明記されていた「2013年夏までの発電開始」という約束はなぜ破られたのか
  • 大阪市は契約不履行についてどういう措置をしたのか
  • 合同会社への事業譲渡の不適切性
  • 入札に参加していない上海電力が事業参入している事自体がおかしい

山本議員の指摘は非常にシンプルだが、ポイントを完璧に押さえていたので、取り零しや言い逃しは無く、問題を全て網羅していた。拍手!

咲洲メガソーラーの入札から現状に至るまでの、時系列に沿った質問だった。山本議員の質問は掻い摘んで言うと、契約に沿ってみると、契約施行日から半年以内に何もできない場合、契約解除事由になる事。また契約締結から数年の間に、何度も事業者当事者が変更している事を軸に指摘。

一方の港湾局は最初の質問の解答から躓いた。
山本議員から、入札条件に掲げていた提出書類の中で日光エナジー開発の書類の不備を指摘。それに対して港湾局は次の様に答えた。

『事業体との契約だった為、一社の書類は全て揃っていたのでもう一社の分は会社設立から間に合わないものであり省略した』
これはいくらなんでも違うでしょう?

なぜなら契約者は当初、大阪市の発表で
  • 伸和工業株式会社
  • 日光エナジー開発株式会社
であり、この二社の連合体と言う事で事業を進める事。
そのプロジェクト名が〝咲洲メガソーラー「大阪ひかりの泉」プロジェクト〟であるとアナウンスしている(落札と契約を同時にしたと思われる下記の大阪市の案内を参照)。

A



B


しかし同日付で契約を締結したとされる賃貸借契約書の賃借人には
  • 連合体咲洲メガソーラー「大阪ひかりの泉」プロジェクト
とされている。

細かい様だが重要な事で、これでは当日、市役所のプレスリリースで発表された事と、実態は違っている。

プレスリリースに沿って言うならば、契約の際の当事者は法人二社。大阪市が要求する全てのものは、この二社は揃える義務はある。設立して間も無いから書類は無い、は通用しないし、山本議員が指摘する様に
『そもそも設立して間も無く、尚且つ実績の無い会社は入札の資格は適正なのですか?』
と、その入札参加事業者の適性を疑う意見を発していたが、まさにその通りである。
そしてその共同体の〝呼称〟が〝咲洲メガソーラー「大阪ひかりの泉」プロジェクト〟のはずである。

それがいつの間にか最初の平成25年12月26日の契約すら、連合体との契約になっており、事業体の構成員の編成もアナウンスこそされなかったが、のちに出てきた資料にはかくの如く記載されているのである。

港湾局の主張が正しいのであれば、この連合体の構成を成す二つの会社間の取り決めを書類なり何なりで確認しているのか?と言う話である。カネに絡む部分はそれこそ黒塗りであっても良い。まずはこの二社が一つの事業体であると言う、役所と契約する以前の取り決めや法的な拘束力のある証拠を得ているのか?と言う話になる。

しかし結果論から推測するに、これは一社の書類不備をカバーする為の〝嘘〟と断定しても差し支えないと思うが、この建て付けはその後行われる変更手続きで更に歪んでいく。

C


本件はこの様に初回の契約に続き、二回の変更がある為に、計三つの契約書があるはずである。

また②の変更については契約母体そのものが最初に契約した当事者と法的根拠からして違う。分かりやすく言うと〝連合体〟と言う、いわばみなし法人の様な存在から〝合同会社〟と言う法人へと変わる。
それでなければ本来は二つの法人との契約である。うち一社は書類の不備があると港湾局は認めている訳で、そこで入札から落として良いはず。

  1. この②の際、契約書はあるのか?
  2. この②の際に日光エナジー開発は、その法人設立より一年以上経過しているので、せめて一期分だけでも納税証明書は取得できているはずである。従って①で不足していた書類を補充できたのか?
  3. この②に関し、議会での承認は採っているのか?
  4. これを賃貸借権の譲渡の承認で済ます問題か?
  5. では結果的に誰が承認した?
  6. 議会は知らないと言っている。記憶がないと。では誰が?

以上が②の契約変更時に要点となるポイント。

そして③へと繋がる。

ここでは①にも②にも無い会社が入ってくる訳で、当然ながらその変更に関する手続き・申請・承認のプロセスは、むしろ振り出しに戻ってもおかしくない変化を伴っている。

従ってここでも、

  1. この③の際の契約書はあるのか?
  2. この後から入ってきた上海電力の身体検査はどうなっているのか?
  3. この③に関し、議会での承認は採ったのか?と、言う話しになる。
  4. これを代表社員変更で済ませられるのか?縁もゆかりもない海外資本の会社が入ってきているんだよ?
  5. しかも通知だけだと。
  6. 承認したのか?したとしたら誰が承認したのか?

次に非常に強く興味を引く質問が出た。
その応答で港湾局が言った言葉にとても強い興味を覚えた。

『平成25年3月24日に着工した』

これは初めて聞く日付だった。



上海電力はその自らのHP上で『3月16日に地鎮祭を行った』と記している。
またその冒頭に

『2014年3月16日午前、当社と伸和工業株式会社の共同投資プロジェクトである、大阪南港太陽光発電所の建設用地にて、日本の伝統に倣い地鎮祭を行いました。』

と表記している。

この〝当社〟とは、その文脈や掲載されているサイトからして、上海電力日本株式会社を指しているのではないか?と思われる。
そうなると写真【C】の港湾局の出してきた資料に対する整合性はどうなるのか?と言う問題になる。

この自称2014年3月16日、または港湾局の示す3月24日に、上海電力日本はどの様な立場で工事を始めたのか?は非常に興味深い。
もし橋下徹の言う様に『下請けじゃねーの?』と言うのであれば、土地の所有者は大阪市である。工事の施工当事者としての申請書は当然出ているはずである。それも同時に証拠として開示したらどうだろうか?

しかし自分はこの一連の文脈を読んで、下請けとは思えない。
なぜなら
当社と伸和工業株式会社の共同投資プロジェクト
と明確に表記しているからだ。
伸和工業(株)と日光エナジー開発(株)の事業では無かったのか?

それともまた上海電力の翻訳間違いか?
共同投資プロジェクトの中国語は共同投資計畫/共同投資項目
下請けの中国語は承包/分包
あまり間違えそうに無いけど?

そう言う意味で、昨日出たHANADA Plusに於いて、政治ジャーナリストの山口敬之氏が当時の市長である橋下徹に対し『橋下徹さん、もうあなたは詰んでいる』と言う根拠はここにある。


最近湧いてきたショウコガーは日本語が読めない他国の方が多い為、多少の事は仕方がないが、ひとつ教えてあげるとすると、上海電力日本がこの事業当事者である法的根拠や承認プロセスについて極めて不透明である事はこの一連の文章を読めばわかる事。
本当に承認された事業者なのか?と言う点について明らかになっていないのであり、それに対する許諾・監督責任は当時の市長にあると言うだけの話しである。

いくら何でもその位は理解できるんじゃないの?

昨日、その山口敬之氏はご自身のfacebookで次の様に記している。

市議会が本腰を入れてくれれば、百条委員会が設置される可能性もあります。
百条委員会というのは「証言や資料提出拒否に対し禁錮刑を含む罰則」が定められた強制力を伴う「百条調査権」を根拠に、市議会が設置する調査機関で、「国会の国政調査権」の地方自治体バージョンです。
例えば上海電力疑惑で百条委員会が設置されたら、橋下徹さんは出席を拒否できず、全ての発言は記録されます。だから橋下氏お得意の「焦点ズラし戦術」や「誹謗中傷」「大声」「恫喝」などで議論を撹乱する事も出来ません。
もし大阪維新の会が本当の保守政党なら、市民と国民のインフラの安全を守るための百条委員会の設置に反対するはずがありません。
また橋下徹さんもやましい事がないなら喜んで百条委員会に出席するでしょう。
今回の疑惑の深い闇を考える時、こうした市議会での追及の動きは大いに応援したいと思っています。

そう。
本当にこの通りだと思う。

もし大阪維新の会が本当の保守政党なら、市民と国民のインフラの安全を守るための百条委員会の設置に反対するはずがありません。
また橋下徹さんもやましい事がないなら喜んで百条委員会に出席するでしょう。

山本議員におかれましては、是非ともこの問題を厳しく追求して頂きたいと切に願います。



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