IRと言う事業コンテンツを、頭の先からつま先まで泥だらけにした維新の連中にはキッチリと倍返しをしないと気が済まない。千倍返しだね。この田舎モンたちのおかげで、世界中にある一つの事業コンテンツが完全に汚されてしまった。
終焉に向かいつつあるであろうとは言え、まだまだコロナの影響が残るいま、世界中のビジネスの鉄則として規模が大きければ大きいほど、経済的ダメージが大きいと言うのは事実。
マカオでも大規模なIRほど深刻なダメージを受けている。実際にいま、三つのIRがそれぞれ上場している証券取引所に決算を上げられず、取引所からの除外の警告や、売買停止処分を喰らっている。またそれとは別の一社が、米国の経済メディアにより、キャッシュフローがあと四ヶ月で枯渇すると報じられた。もっとも米国のそれはもっと悲惨でMGMは本社を売却し、リースバックで凌いでいる。マカオはそこまではいっていないので、いささかマシか?
そこで今回は、最近の泥まみれの様な調査からちょっと離れ(現場に行っている方、ごめんなさい🙏)、IRと言う業種にとって、どうしたら明るい未来が待っているのか?を考えてみた。
先に結論を言っておくが、これからのIRのあるべき姿は以下のパターンになると思う。但し、あくまでも私の経験値を基にした物差しで考えた話しである、と言う事を先にお断りしておきます。
- 中規模IRが最大スケールの施設
- 事業再生型IR
- 地域再生型IR
これら三点が主流になると考えられます。
1.中規模IRが最大スケールの施設
これはマカオやシンガポールにある様な、大規模IRの半分以下のサイズの施設を指します。
マカオのケースをサンプルにして、
大規模IR
ベネチアンマカオ:
敷地面積 約29万㎡/延床面積 約98万㎡ カジノ:約3.5万㎡/テーブル570台/スロット1,485台
MICE:ホテル客室数2,900室/会議場・展示場 合計 約11万㎡、最大の会議室 6,577㎡
最大7,248人収容 最大の展示場 約1.5万㎡
2019年度売り上げ:908,000,000USD/約1,157億円
サンズコタイセントラル:
敷地面積 約15万㎡/延床面積 約112万㎡
カジノ:約3.4万㎡/テーブル415台/スロット1,545台
MICE:ホテル客室数6,300室/会議場・展示場 合計 約8.6万㎡
その他 ・飲食ショッピング施設 約7.4万㎡
2019年度売り上げ:505,000,000USD/約643億円
出典: https://www.flickr.com/photos/jrobato/49337848601
中規模IR
ポンテ16:
敷地面積 約2.3万平米カジノ:テーブル105台/スロット300台
MICE:ホテル ソフィテル 408室(389客室+16 Villa)
2019年度売り上げ:48,109,694USD/約61.5億円
小規模IR
アルティラ:
敷地面積 5,230㎡/延床面積 約10万㎡
カジノ: テーブル112台/スロット56台
MICE: ホテル216室
2019年度売り上げ:465,100,000USD/約595億円
数字を見ても分かる様に、延べ床面積等、そのサイズはそれぞれに大きく異なります。しかし経済規模で考えると、やはり大規模であればあるほど、何か突発的で予測不可能な出来事、それは自然災害や今回の様な疫病など、人智のコントロールが効かない事が発生した場合、経営的リスクは増大するだけです。
このマカオは最初、リスボアホテルだけでした。リスボアは当時はオンリーワンだったとしても、その規模は小〜中規模のIRでした。それでも創業から60年、何とか生き延びております。
カジノの売り上げは、必ずしもスペースの大きさに左右されない事は上記のデータをご覧になれば分かると思います。大規模のサンズコタイセントラルと小規模のアルティラを比較すると解りますが、どちらが安定的に経営できるか?は規模の大小では無いことが分かるかと思います。そう言う意味からも、予めリスクを分散させておく事も必要であると言えます。
2.事業再生型IR
これは読んで字のごとく、一旦破綻した施設などを再生するプログラムの一環としてIRを導入するものです。
大阪の田舎っぺ三羽烏が『ズっぺ〜!ダッペ〜!すげ〜っぺ!』と騒いだおかげで、日本人のIR観は大きく歪曲された状態からスタートしました。またその推進派の暴走を防ぐ為に立ち上がった反対派!
が!結果、意味不明・中身ごちゃ混ぜのクソ味噌論理で激しい応戦を繰り返す展開に…。
問題はカジノをやるやらないは関係なしに、推進派も反対派もIRに行った事が無い人が90%じゃないですか?実際、そんなもんだと思いますよ?
ズっぺ!だっぺ!V.S.クソ味噌論理の時間無制限電流爆破デスマッチ
これでは正しい議論ができるはずもなく、当然の結末として、導かれる答えも結果クソミソ。誰も幸せにならない徒労感だけが漂う結果となります。
私たちが思春期の頃、〝北欧〟と聞いただけで金髪美女が裸で森を歩いている様な、エッチな世界観を妄想したまま、現実を知らず大人になったのと同じです。
今の五十代のイメージする〝北欧〟と、IKEAが世界的な企業になった今の〝北欧〟のイメージとでは雲泥の差があるのです。それは今の日本人のIRに対するギャップそのものだと言っても決して過言でありません。
ここで大事な事はなんでしょうか?そう、IRのデメリットばかり大騒ぎして、メリットをキチンと説明・理解する事を忘れてしまっている事なのです。
これは松井一郎・吉村洋文の責任でもあり、百年の刑にも相当する罪です。
『毎年1000億円入ります!』
お前は情報商材屋か!と言うほどの異次元のパフォーマンスです。
本来、メリットをキチンと示す側である推進派が、朝から晩まで嘘八百を並べたおかげで、その一字一句が東大を実名懲戒解雇され世間を震え上がらせた大澤昇平の言葉の様に、全てに於いて根も葉もない戯言になってしまったの事は痛恨の極みです。そうやって蒙昧な御託を並べ、無駄に時間を浪費してきてしまったのが〝いま〟なのです。
そこでIRのメリットはなんであろうか?と言う事を、もう一度、真剣に確認する事が求められます。デメリットはむしろ欠席裁判の様に散々語られてきたので、もう良いでしょう。
私は今回の大阪IRの問題を通して心底、維新の連中の仕事の出来なさや、人間のレベルの低さに驚きました。しかし一方で、その反対派のレベルにも同様のレベルで驚かされもしました。
中には反対しているかと思ったら、自分のアイデアを何とか入れ込もうとしている人。偏った考えで反対の為の反対を叫ぶ人。
〝大阪にカジノいらんよ〟
この一言の中に、どれだけの推進派を打ち負かす論理的な情報が入っているのかを、誰か教えてもらいたい。私が感じるに、これは単に〝アジる為のキーワード〟でしかないと感じる。
確かに解り易くキャッチーだが、大人が真剣に議論する場に対し、正式にテーブルの上に置く価値があり、またそれだけの説得力を持つキーワードだろうか?
ある日ふと、そう言う部分を総合的に見て、反対派もまた本気でカジノを止める意思はないんだな、と思った次第。
IRのメリットとは何か?
ビジネス面においてそれは、営業さえ出来る状態であれば〝カジノがあるお陰で、常識的な坪単価の売り上げを超越した売り上げと利益を得られる〟
事なのです。
これはメリットです。
しかし推進派はそれを、自らが推し進めているはずの〝カジノ〟そのものを隠しました。違いますか?
維新の音喜多駿に至っては
『IRはカジノじゃ無い。カジノはわずか3%だ。勘違いしないように!』
と、大いに勘違いした、或いは騙しの鸚鵡返し続けた。
やましい事を隠しているから、事実を言えないんですよ。
またその親分たる松井に至っては、自治体が行う事業にもかかわらず『これが大阪市(府)民のリターンです!』と言い放った。血税を使う事を屁とも思っていない事を如実に表している言葉である。自治体の出費は時にリターンなど無くとも行う役目を担っている。行政を理解していない事を見事に曝け出した瞬間だった。
むしろここはハッキリと言うポイントでしょ?
『IRに於けるカジノは、延床面積の3%であるにもかかわらず、全体の80%を稼ぎ出します』
なぜそう言えない?
答えは簡単ですよ。
言えないようなやましい事を隠しているんでしょう。普通に考えたら分かりますよ。 なぜなら隠す必要がない部分ですから。
さて話しを戻します。この事業再生型IRは破綻や、経営状態の芳しくないテーマパークや商業施設を改装して作るパターンです。例えば大阪の場合、それこそ最近話題の咲洲のATC/WTC/インテックス等もジャストな場所でしょう。また経営がそれほど楽では無いと噂される、長崎のハウステンボス等もこれに当てはまる可能性はあるでしょう。
一時期、長崎と少し話した事がありますが、日本のIR法に従うと今まであった施設の改装や増設ではできず、新規に作らなければなりません。ですから私はそれらも含めて日本のIR法には大きな節穴がある、或いは箱物行政法案と言い続けております。
既存の破綻した施設や経営が苦しい施設をリノベーションするカタチで展開していけば解決できる問題を、そうはできない法律で、結果的に前の問題を解決しないまま、新しいモノを増やしていく。
真の意味でSDGsを目指すのであれば、前の問題もキチンと解決しながら、その先へと継続的な発展をしていくのが本当の姿だと思うのですけどね。
なぜこの様な〝ちょっと考えれば当たり前だよな?〟と言うところに話しがいかないのか?
結局それは、一番最初の言い出しっぺが『ズっぺ・だっぺ』だったからです。
『IRってのは通天閣よりデケ〜んだ!知っとるけ?』
と言う目線からスタートしてしまったからです。まさに田舎スターの目線です。
IRは大きいもの。大きく作るのがIRと言う、最初の一歩から目測を誤ったIR法案の建て付け。この最初の一歩の目測の間違えは、コロナ後にもその悪い影響は残り続けるでしょう。そう言う意味で、ムダにハシャギまわった橋下の罪は重いです。
え?
潰れたところにまた作っても、どうせ潰れるだけだろうって?
もう一度、言います。
〝カジノがあるお陰で、常識的な坪単価の売り上げを超越した売り上げと利益を得られる〟
営業さえ出来る環境であれば、この打出の小槌はある意味、場所を選びません。
3.地域再生型IR
これは以前から言っておりますが、夕張なんかは最適ですね。
『そんな遠いところに誰が行く!』と言われた事があります。
ではお言葉を返します。
「長崎に決まったカジノオーストリアが運営するカジノがどこにあるのか知ってるか?」
と。
要はスキー場にあるホテルなどに併設しているケースもあり、そう言う意味で場所を選ばないのがIR/カジノです。世界中のIRがそれがなければ行かない様な場所にある事が、何よりもそれを証明しております。
マカオなんて市全体が遊び場ですが、そう言う作りをしなければ、わざわざ香港からフェリー(今はバス)で渡航したりしませんよ。そこにあるから行くんです。
以上、ざっくりと考え方を纏めましたが、要は悪い時に備えて作っておく、と言う事なんです。
またカジノの収益性を活用し、過去の問題を同時に解決していく、と言う考え方をする事ができる、と言うメリットをどう活かしていくか?
確かに大きい投資をすれば大きく動きます。しかし大事なのは維持して更には成長させていく事です。一時的に大きく動いても、持続しなければ意味がありません。
ちょっと話しは逸れますが、そう言う考え方からすると、国の少子高齢化対策にも通じます。少子高齢化問題は日本だけではありません。中国などは大問題ですし、何よりもあの人口です。そこで発生する問題は日本の比ではありません。欧州もそうですし、デベロップメントカントリーでは世界共通の大問題なのです。
そこで〝移民を促す〟と言うのは愚の骨頂です。大規模に移民を促した国は結果的に大きな問題を抱えております。
そう言う事ではなく、政府・自治体を含め、〝人口が減った姿〟を想定して少しずつ政府・役所の規模を絞っていくのです。但し維新のやっている様な何でもかんでも派遣会社を使う事、あれは全てに於いて大間違いです。一発災害が発生でもしたら目も当てられない事態になるでしょう。海外ではあの様な派遣会社はありません。なぜなら人身売買になるからです。紹介業はありますが。
日本は災害国である事は疑う事がない事実です。そう言う〝万が一〟の時に余力を取っておくのも〝民間〟では無い〝政府・自治体〟の役目です。
『百年に一度の大雨はいつ降るのですか?』と息巻いて、大勢の市民を殺した政治家がいました。やってるフリをして何千人の死者を出した吉村と松井の罪は今世だけでは消えないでしょう。
孫正義が売り込みにくる〝メイドイン深圳〟の商品を売る為のSDGsでは無く、民衆が明るく安心して生きていく為のSDGsを真剣に考える時期が来ているのでは無いでしょうか?
その一つに、ある地方にIRがあっても良いとは思います。それでその地域が潤うのであれば。マカオみたくね。それを作り出せず、工事費用をポケットにくすねる様な議員や首長はとっとと退場です。
あ、そう言えば『IRやるぞ!』と息巻いてる首長さん、野球チームを持っているIR当事者に、ご自身の関係者を事業者として入れさせてくれと頼んで断られたんですってね。
それで土壌改良に舵を切ったとか?
そう言えばマカオでもガイドとして同行させて頂いたウチの義母に、何とかってお好み焼き屋をウチが管理しているIRの店舗に入れさせてくれないか?って聞いてきましたよね?
あんたら、常日頃からナニやってるの?
これらの総括でニュースを飾る日も、そう遠くはないでしょうね。
最後に日本国政府に於かれましては、まだまだコロナからの立ち直りが完全ではない事。IR法案も海外のそれと比べると穴だらけである事などを鑑み、今回は延期と言う事にして、もう少し業界所先輩方であるマカオ等の意見を聞いて法案を再調整したら如何でしょうか?そうしないと後で大変な問題に問われますよ、と申し上げておきます。