自分にとって、こんなにも近いところで事件化すると思いませんでしたから、結構ショックを受けています。
昨年の太陽城に次いで、徳普会の代表者である陳 榮煉(Levo Chan/以下、レボ)が逮捕。太陽城の捜査中に浮き出ていた案件だと言う。
確かに元々、太陽城の摘発の段階で徳普会の名前は出ていた。従ってどのタイミングで、どう出るのか?と言うのは気に掛かっていた。
またレボがレジェンドの個人筆頭株主になっている事に対する影響も気に掛かっていた。
ただ自首したアルビンに比べ、レボは隠れていた、と言うのは不味かった。ここは福建省ルーツの人間の欠点だ(個人的見解だが、非常に混乱しやすい特性があると見ている)。また証拠を隠滅しようとしていたのも完全にマイナスだった。
容疑はやはりネットカジノを中国本土でアレンジしていた、と言う件。これは太陽城と同じ。1月29日の夜の逮捕だったが、正式な発表は無く、ただ『どうもそうらしい』と言う情報はマカオ中に飛び交った。翌日、司法警察が記者会見して明らかになり、それが’事実と知った。
しかしマカオ政府も今まで知っていて放置するどころか、政府のイベントにカネを出させて協力させ、最後、これかい?と言いたくなる部分はある。本当のヤクザはドッチよ?と。
最初は昔のオフィスの上階に徳普会のオフィスがあった為、スポンサーのお願いに行ったのがキッカケだった。そのうち、住んでいたアパートの上階にレボが引っ越してきてチョコチョコ顔を合わせる様になり、ひと言、ふた事、話す様になった。
そして極めつけが偶然にも事務所と店舗を借りているホテルのオーナーにレボが就任。この時、新オーナーに株を売る為に社内チェックをしている最中、リテール部門担当者の不正が発覚。その為、その不正を誤魔化そうとする担当者とウチとのあいだで大揉めになった。しかしそこに新しく来るオーナーがレボと分かり、すぐにレボに連絡。事情を説明した。
そこで発覚したのが担当者の上席、つまりリテール部門の責任者職にあたるポジションが空白で、その担当者が上席の確認を取る事なく(空席だから確認の取り様がない)、自分の判断で処理をしてしまい、結果、自分で収拾つかない金の回し方をしてしまっていた、と言う事が分かった。
『こいつがいる限りダメだな』と思い、レボサイドが『残りますか?』と聞いてきたが「出ます」と回答し、解約した。そしてレボの指示で保証金などは全額戻ってきた。
その後、新しい体制に変わり空席だったポジションにサンズからリテール部にいた人が移籍してきた。そして電話が掛かってきて呼ばれた。
『あなた達のこのフィッシャーマンズでやろうとした計画書を見せてほしい』と言われ、『あいつは自分から辞めました』とも言われた。
しかしそこから話しは進まなかった。水面下でジャンケットが問題視され、またマカオのカジノライセンスの更新も取り沙汰され、話しに進めようがなかった。
つい最近、更新されたジャンケット事業者のライセンス。太陽城は無くなったが徳普会は更新されていた(2021)。
ところでこのジャンケットの一覧表を見て分かる通り、長崎IRに名乗りを挙げたカレントグループ(SRC Group)。
彼らの名前や、その名前に近い組織名は無い。このSRC Gr.の代表者はマカオのポンテ16で事業をやっていると明確に述べている。
CURRENT代表の鈴木保氏はエンタメ畑の出身、子役だったこともある。不動産開発会社を経て、エンターテインメント業界に入り、テレビ会社のコンテンツを用いてラスベガスで10年以上エンタメショーをやってきたという経験を持つ。その後、マカオでカジノホテルを展開するソフィテルマカオ・アットポンテ16でカジノホテルの運営に従事し、今から7年前にIRを立ち上げるために日本に戻ってきた。
ゲット・ナイス・グループの客を引っ張っていただけ、と言う話しは確認できた。またポンテ16の経営陣に聞いても『こんな会社は知らない』と言う。一体、何なんでしょうかね?こんな連中が『マカオで事業をやっている』とは恐れ多い。
話しは戻ってジャンケット。今回のIR法改正でその立ち位置が大きく変わった。1つのIRに対し1つのジャンケットと言う基本的なルールが敷かれた。従って今回のジャンケットライセンスの更新に意味があるのか?と思うが、まずは一旦。
レジェンドはその要職からレボが退任した事を告げるアナウンスを出したが、上場している香港市場では株価が大暴落。非常に厳しい春節となった。
最後にレボの会社がサポートした2019年マカオ モーターサイクルGPの写真を置いておきます。マカオにそう言う時代があったと言う証に。