ウソにウソを重ねる松井一郎 @大阪IR

大阪IRに20社出資 国の認定勝ち取り後押し


 色々問題がありますが1点だけに絞って話しをします。その方が分かりやすいでしょ?

 2021年12月21日に大阪府・大阪市IR推進局が副首都推進本部(大阪府市)会議に提出した
なる資料です。この資料がどれだけいい加減な数字を盛った資料か?を解説します。


 先に余談を書きますが〝優れた企画書はひと目で分かる〟と言います。そうなると逆もまた真なりで〝ダメ(嘘)の企画書もひと目で分かる〟のです。

この計画はどこがダメなのでしょうか?

 6ページ目の【収支計画】 ここで完全にこの計画は終わっております。ゲーミング(いわゆるカジノ部分)の売り上げが予測が4,200億円と記載されております。

 この数字は絶対に出ない数字です。その証拠をお見せします。

まずは下記の数字をご覧あれ。

Sands Chiana 2019年(2019/1/1-12/31)
*つまりコロナの影響は受けておりません

総売上87億458百万USD/約9,954億円。

 マカオにあるサンズグループは5つ。その5つのカジノの総売り上げがこの数字ですから単純ですが5で割ります=1,990億円
 つまり1ヶ所あたりのカジノの売り上げは1,990億円が精々と言う事です。しかしこれは昨今問題になり逮捕摘発が相次いだジャンケット(仲介人)の売上げがマカオ全体の平均値で39%入っております。
 この39%のうち、IRが直接持っているVIPクラブの売り上げが30%。今回問題になっているジャンケット業はこのうちの70%(カジノ全体の売り上げでは27.3%)を占めております(因みに摘発された太陽城はそのジャンケット売り上げの50%を一社で持っておりました)。
 この計算からいくとジャンケットやVIPクラブを除く平場(大阪IRと同条件)の売り上げは1,446億円となります。
 
*日本ではジャンケットを制度として導入しない事は決まっているので、比較を公平にする為、分母を揃えます。その為にジャンケットの売り上げ分を除外しております。しかしIRが直接持っているVIPクラブはそのまま残しております。つまりこれで大阪と同一条件になるのです。

因みにカジノの床面積は次の様になります。

大阪IR


ナニこの広さ~(・・?))

マカオ
  • 五つの施設の床面積の総合計:121,888平米
  • 一つあたりの平均床面積:24,377平米
*大阪の方がマカオより床面積は約2.6倍広い訳です。

 因みにIR施設の入場者数ですが、大阪はIR全体で2,000万人と見積もっております(国内1,400万人/海外800万人)。


マカオのサンズGr.(5施設)の来訪者の実数です。
  • 来訪者総合計:9,820万人
  • 一つの施設あたりの来訪者:1,964万人
(いずれも年間)

良い勝負の数字が出揃いました。

 大阪とマカオの床面積には大きな隔たりがあり、マカオの床面積を大阪の床面積に揃えてみます。その結果、マカオの売上げ1,446億円を大阪の床面積に合わせて2.6倍にし、3,759億円としましょう。それでも大阪の試算の4,200億円には届きません。架空で倍以上にして届かないってどんだけ盛ってんだ?と言う話しです。
 IRの誘致人口は大阪年間2,000万人に対してサンズの平均値は1,900万人余ですから良い勝負の数字でしょう。ここは分母を整える必要はありません。そうすると敢えて分母を揃えて2.6倍しなくても、この1,446億円の売り上げと言うのが現実的なセンではないでしょうか?

これはマカオの場合です。

 大阪は『ウチはマカオちゃうよー!シンガポールやねん!』と言い出すのは目に見えておりますので、上等です。シンガポールの数字を出して差し上げましょう。

シンガポール
カジノエリア1.5万平米
総売上げ51億9,400万USD(約5,940億円)

 因みに1平方メートルあたりのカジノの売上げの平均値を取ると、シンガポールよりマカオの方が桁が大きい事を発見しました。これはそれだけ政府のカジノに対する規制が緩いと言う事を示しております。

一平方メートルあたりの売り上げ
  • シンガポール 346,266USD
  • マカオ         5,931,820USD
  • 大阪                 56,616USD(6,461,538JPY)
ケタガチャウネン (´⊙ω⊙`)
となります。

 繰り返しますが、シンガポールとマカオはジャンケットの売り上げを排除しております(比較の分母を揃える為)。

 さてデカく吹いた割には床面積あたりの売り上げが途方も無く小さいのは何故でしょう?凄いイカツイオヤジがパンツ脱いだら╰⋃╯だったみたいな…

 これは本来、床面積に対する台(カジノ機材)の設定台数の割り当てを政府側が決定するのですが、それができていない事。私が以前から指摘しているように、松井(と、言うより維新一派)はハコモノ行政としてしか考えていない為、コンテンツからの推計が出来ていないのが大きな原因でしょう。
完全に床面積からの台の割り付けが抜け落ちております。

 『このくらい(人が)来るだろう』と言う適当な読み。シンガポールを視察し、マカオの金坂で高級鮨の接待を受け、サウナで股間を擦ってもらい大阪に戻りデトックスの注射をしながら計算した数字であり、いざ報告書と思ったら写真も撮っていなく無料素材を使っている為体ですので、これをベースに日本の名だたる企業20社が投資をし、金満政商のオリックスが出資をするからには、相当厳しい結果になる事が容易に想像できます。

 また今回、比較の為に大阪のバカどもがシンガポールサンズを参考にしたため、同系列のマカオサンズを比較のサンプルにしましたが、今回やってくるのはMGMです。MGMはサンズほどエグいことはしません。つまり、もっと数字は低いものと思っていて良いでしょう。
 
 結論から言うと、大阪の出した4200億と言う数字は、絶対に出てこない数字であり、仮にMICEの部分が1,000億の売り上げを到達したとしても、最大で2,446億円前後、海外からの来訪は例えコロナ問題が片付いていたとしても、外貨持ち込み制限などもあるので、そう多くは期待できず、実際のところ、2,000から2,500億円というのがカジノを含んだ総売り上げと想定して良いでしょう。

つまり収支計画のちょうど半分程度がゴールと言う結果がハッキリと見えております。


 この半分程度の2,000-2,500億円の年間売り上げから、事業者は大阪に半分を払わなければならない訳です。成り立ちます?本当に?


 その2,000-2,500億円程度の設定をしておいて、3,000億円に到達すれば感涙に咽ぶでしょうし、外したところで痛くも痒くもありません。にも関わらず計画書にある通り、5,200億円を想定して、この便所の落書きブログの数字の通りだったら、目も当てられません。

 私が子供の頃、茶畑で遊んでいて、隠れたつもりが、肥溜めに落ちてしまったくらいの衝撃を受ける事でしょう。更に帰宅したら親のゲンコツを喰らいました。このままいったら納税者からの厳しい追及を受ける事は間違いありません。

 ジャンケットの一番問題点は〝地下銀行〟になってしまう事です。今回の摘発の理由も〝地下銀行とネットカジノ〟の2点が主な理由でした。そして元々日本のIRは『ジャンケット方式は採用しない』事でハッキリしております。
 またもう何年も前から私が言っている事。海外からの来訪者は〝外為法で基本100万円しか持って入れないのにどうやってカジノで遊ぶの?〟と言う問題に、どこまで行っても最後は行き当たるのです。また最後に帰る時、税金も取るの?誰も来ないよ。。。


 私はカジノ反対派ではありません。同時に積極的に推進派でもありません。やれる条件が整っているのであれば、やれば良いと考えている方です。  
 しかし今回の様に、やる場所の環境的に整っておらず、莫大な税金を注ぎ込むこと、更に構成した組み立てが文字通りの〝取らぬ狸の皮算用〟である事から考えれば、大阪府民は莫大且つ驚愕の負の遺産を背負うハメになる訳です。

 また我々の様な在外邦人は〝日本が派手にコケた〟と言うのはとても恥ずかしい事なのです。大澤昇平の件も台湾のメディアに出ていて、随分恥ずかしい思いをしました。ああ言うのは国の信用を落としますからね。

 こう言う目先のカネをターゲットにもっともらしい御託を並べてたとしても、数字と言うのは本当に正直です。バレます。松井御一行様はいい加減、ウソがバレている事を自覚された方が宜しいかと思いますよ。ど素人が作った計画書というのがバレバレです。

結論:これならでっかいパチンコ屋にした方が良いよ。あなた方にはこれをやる能力やリサーチ力、経験値がなさ過ぎる。

*これらIRの数字はそれぞれの会社の決算報告書を元に算出いたしました。