大きな思い違いをしていた(かも?)



時は2019年5月のGW。
当時の国交大臣である石井国交相は5月2日にマカオ入り、翌3日にはマカオよりブルネイに出発した。


 この頃の維新のマカオでの傍若無人ぶりはひどく、マカオのIR事業者を酷く勘違いさせていた。マカオの各事業者の認識は〝維新は日本のカジノの権利保有者〟と思い込んでいた。

 当時、オフィスが地元資本のIR内にあった為、そのIRのオーナーから直接、その様に尋ねられた。
「変な話だな…」と思い経緯を聞いた。
『彼らは日本のIR権利保有者と聞いている。そこで日本ではIR法案も通ったという事でマカオの事業者全体で大阪へ挨拶に行きたいと申し出た。すると『まだ早い』と言われた。まだ早い?投資を散々煽ってだよ?なぜまだ早い?権利保有者はそんな事で来訪を牽制したりしない。ひょっとして権利など無いのではないか?長年の勘でそう感じた。』
と言う。
 私は「権利保有者では無いよ。」と答えておいた。また「仮に選挙で他の人が首長になったら、また事情が変わるかもよ?」と付け加えておいた(事実、横浜がその後、そうなっている訳で…)。

 その言葉は維新がエージェントとして使っていた、当時マカオにいた日本人が言っていたとの事で『維新が直接言ってねーよ』と言えばそれまでだが、仮にその人物を公式なエージェントとして使っているのならば、その様な誤解を招く言動や行動には、注意を促しておく事は使用者の責任として最重要な課題のはず。

 さて、そう言う〝間違えた認識〟が蔓延っているのなら、これは当該担当者に伝えておかなければならない。それって誰?と考えた時、やはり当時であれば石井国交相か、となった。

 そこで石井国交相と極めて距離の近い人物がいる事を思い出し、すぐに連絡を取り「マカオで大臣に会えないか?重要な事を伝えたい」と連絡をした。
すぐに秘書から返事。
 曰く『IRに関連する人とは絶対に会えない。文章で要件をくれ。』と言う。
「それどうかなぁ?100%石井さんを信じている訳じゃない。もし相手方に文章が回されたら、それこそえらい事になる。」
そう考えて文章を出すことを辞めた。
 しかし国交相と言えば、自身がお世話になった太田さんの後釜である。ある程度は信用しないとまずいよな。
勝手にそう思っていた。

 暫くすると秘書が怒っているという。曰く『文章をくれなかった』と。「敵か味方か分からん人に大事な文章は渡せないよね?とあなたにも言ったろ?」と怒った。この仲介者は人の話を聞いていない。
今考えると、この怒っていると言うのもおかしい。向こうからの用件にこっちが答えなければならないのであればそれは怒るだろう。しかしこっちからの一方的な用件である。怒る筋合いも無い。


 GW。仕事が入り義母が文句を垂れている。ベテランのガイドである義母に仕事が来ると言う事は顔馴染みかVIP。
 その時『あ?石井さんか?』と閃いた。しかし聞いてみると違うという。程なくGW中。
事務所で仕事をしていると、家内の電話に義母から着信。家内はキレている。『人の仕事の内容を勝手に喋るな!』と言うのだけは聞こえた。なんのこっちゃ?

『ちほ?ちぼう?って知ってる?』
「どっかで聞いた事があるな…」

大阪のお好み焼き屋の千房の事だった。

「さっきの電話、なに?」
『お母さんが、うちとココのホテルの事を話したらしいの。日本から来ている議員に。そしたらその千房?入れないか?と。だから人の商売を勝手に喋るなと怒ったの。』

これでそのアテンドを依頼された議員達は、
  • 石井さん達ではない。
  • 大阪方面から来ているであろう。
と言う事は分かった。
在阪の旅行社からの依頼だった事もそれを裏付けている。

 実はこの時、石井国交相の訪問先は伏されれていた。国交相の上記のHPにも具体的に〝どこ〟とは書いていない。
事実、マカオの情報を現地から発しているマカオ新聞も5/3の朝の配信時点で訪問先は不明としている。


 記憶を辿ると確かにHP上には〝訪問先は後日お知らせします〟とあった。これは結果的にはWynnとMelcoだった。
 ここでピンと来た。ターゲットはMelcoだ、と。なぜならMelcoはカジノライセンスは持っておらず、Wynnの枝でやっている。そのWynnは日本への進出を表明していない。
 Melcoはスタンレーの息子がやっていると言う事でSJMと同一視されやすいが、ビジネス上はWynnの流れを汲んでいる。そう考えると日本へ進出予定を全く組んでいないSJMへ訪問すると返って不要な憶測を生む。それらを考慮するとWynnのドアをノックし、中に入るとMelcoの主屋へつながる動きを見せると言うのは世間を煙に巻くには充分だ。確かに疑惑の目を齎さなくするには良いダミー工作だが、見る人が見たら分かる。ドアは二つあっても中は一つなのだ。
しかしこの時は、流石に維新の傍若無人ぶりに一旦、釘でも刺しに行ったのかな?と考えた。

 GW明け、当時、維新そのものをよく知らなかった自分はTwitterで維新の議員を見つけ『母がマカオでお世話になりました』と後先考えずにツイートしてしまった。

結果的にこれが〝マカオ疑惑〟が始まりのきっかけとなってしまった。

 まさか極秘で来ているとは知らず、そうとも聞いていなかったからだ。
石井大臣は公表している。大臣が公表して、家来の議員が隠しているって変でしょ?そう考えた。

ネット上、意味無く荒れる。

 この時に自分は大きな勘違いをしていた可能性がある。それは石井さんが太田さんの後釜と言う事で〝ある程度、信用していた〟と言う事である。それが先週、吹き飛んだ。
 定かでは無い情報だが、IR関連の組織の総責任者に石井氏が就くという情報がきた。真偽は定かではないが「はぁ?それ完全に利権モノじゃん!」となる。堅物だと聞いていた石井さんがそう言う方向かい?と呆れた。俗物もイイとこだな、と。

するとある事が一気に頭の中に浮かび上がった。一昨日だ。
「おい、あの維新の連中、あのGW、ホテルはどこだった?」
『調べる…C.O.D.だ。』

なんの事は無い。現地集合かい。

 そりゃ、他の日本人には顔を見られたくない訳だ。
それが証拠にこれだ。

 香港・マカオ・ブルネイの3ヶ所の訪問先で、マカオだけ取材の機会を作っていない。作っていないのではない。作りたくなかったんだろう。IRの展開を考え、石井さんの当時の立場を考えると、むしろ香港とブルネイはダミーだ。逆から考えると分かる。

 話しを2019年に戻す。
リスボアを運営するSJMは株式公開会社だ。実はその上にSTDMと言う親会社があるがこの会社は株を公開していない。
 良くネットでなんでもかんでも中共だ!と騒ぐバカがいるが、このSTDMは歴代のオーナーが株主だ。家内も亡父の遺産で兄妹が全員株主になっている。ここにはマカオのカジノ/IRを作った重鎮、ファミリーがいる。中共はいないし入れない。

 そこでスタンリー・ホーの秘書のおばさん、それはMelcoのローレンスが子供の頃から面倒を見ている方だが、家内からその方に話しを入れた。
  • 橋下の出身とそれまでの仕事とやらかし
  • 吉村のスラップ訴訟にやしきたかじんの遺産の件
  • 松井の経歴
「STDMやSJMでは無いとは言え、Melcoがこんな連中と取引して良いのですか?」と。この段階では私からの〝与太話し〟に〝便所の落書き〟レベルだ。
しかし彼らの調査能力は凄まじい。私から聞いた〝与太話し〟の裏付けを取った。

 結果、ローレンスは何も言わず横浜へと舵を切り、大阪を去った。まだスタンリーが存命だったから、何かを言われたんだろうと推測している。
この私たちから話しを伝えたのが2019年6月中旬。横浜へ舵切りを発表したのが同年9/18。
 横浜と言えば菅さんの地盤。前の林市長を含め、完全にコントロール下に置いていた。そう言う意味から言ったら、政府一丸となって調整してあげたとも受け取れる。じゃないと大阪から横浜への脈略が読み取れない。
 調査をして裏付けを確認し、方向転換をした。それだけの話しだ。恨むんなら私ではなく、自分たちの経歴を恨んでくれ。私は事実を伝えただけだ。その事実と言う名の〝与太話し〟を確認したら彼らにとっては問題だった、と言うだけの話しだ。
  えきねっと びゅう国内ツアー

 実はこの時、日本の新聞・TV・雑誌とマカオでMelcoに取材を申し込んでいた。共同会見だ。それは維新との関係を問いたい、と言う内容だった。これも秘書を通じて頼んだ。そしてMelcoからの返答は無かった。

 面白いのは〝マカオ疑惑〟渦中の鮨屋〝かねさか〟を2020年3月、店ごと潰した。これはローレンスが直接やっていた店だった。接待疑惑があった店だ。証拠隠滅と見られても仕方が無いが、跡形無く消したところは凄いと思った。まだコロナが始まってわずか一ヶ月。何をどうすると言う判断が効かない時だった。本当に突然だった事は店のスタッフから裏を取ってある。
 ホーさんファミリーにとって、アランの刑事事件の問題もあったろう。面倒は起こしたくないと言う意思が見てとれた。

 〝石井さんは真面目で奥さんが厳しい人だからおかしな事をする人では無い〟。連絡を取り次いだ知人はそう言った。そう言ったからその言葉を信じた。しかし今になって思えば、石井国交相と維新の某氏達はMelco(Hotelは C.O.D)で落ち合ったと見るのが自然だ。信じていた故に、ここを見落とした。

 日本のIRの認証プロセスから言ったら、この動きは完全におかしい。時期もまた微妙だ。プロセスをむしろ担当部門が無視していると言っても過言ではない。また〝便所の落書き〟に翻弄される必要も無い。維新得意の『名誉毀損だ!』と訴えれば良い。

 母が癌で病に倒れた。先ごろ手術も無事に終わり、今は静かに療養している。すると禊なのか、あの時の維新の議員が誰だったのか、口を開いた。仕事をくれた旅行社に義理立てして喋らなかった母がようやく口を開いた。
 これをどうするか?どこで活用しようか?は今、考えているところだ。できれば維新には政界から去って欲しい。そしたらこの事は墓場まで持って入ろうと思う。ただ今のような傍若無人ぶりを続けるのであれば、メディアと共闘するしかない。今度は当時の現職大臣も一緒という事で破壊力はそこそこ大きいのではないか?と思う次第である。