目の前のお饅頭

これは本当に偶然なのかも知れないが。今、F1のスポンサー契約を詰めているチーム(会社)。


 数年前に日本のあるジャーナリストの方が僕らを推薦してくれて、そのメーカーと話しをする機会を得た。それはアジアに於けるGTの販売網のスキームを組み立てたいと言う話しで、これは非常に興味深い話しだった。

 ところが話しをしていると、非常に落ち着かない。何が落ち着かないのか?と言うと、先方の担当者が落ち着かないのだ。何か酷い焦りを感じた。    
 結果、仕事としては成立せず。しかも「それやったら一瞬は良いけど、後で行き詰まるよ」と言う内容をそのまんまやってしまい、結果的に販売政策は前より酷い結果になった。
 その時もう一つの問題を見つけた。中国の販売網だ。この中国の総代理をやっていた人物(中国人)は、本国の本社の株も持っていた。そしてGT3/4を相当数、本社から買った。しかしレースではGT4を2-3台、二回程度、動かしただけで終わっていた。そのGT4を動かした時、ちょうどこちらが〝含むアジアの総代理店〟の案が持ち上がった時だった。恐らく慌ててクルマを動かし、その話しが無くなったのを確認して、走らせるのを辞めたのだろう。煮ても焼いても喰えない野郎だ。
 さっき分かったのだが、その煮ても焼いても喰えない野郎は、この会社の株を全て手放し、いっさい喝采手を引いたとの事。そりゃそうだよな、、、。

 一方、やってはいけないシリーズに突進したメーカー。買ったチームの担当者は自分の成功談義を一生懸命書いていて、演歌よろしくのイイねのお捻りを沢山貰っていたが、結果、本社は大量に株を手放す事になってた訳よ。そこ分かる?キミ!
 今回、どう言う流れか分からないが、再び、この会社とF1の件で話している訳だが、顧問のマークにも、この以前の話しは一切、伝えていなかった。ついさっき、メールで書いたので、きっと読んだら驚くだろう。

 マークに言おうと思ったのはセオドールでの話しだった。僕の意見としてセオドールはマカオGPのみに特化すべきだった。そしてチーム創設者の信念である〝才能ある若者を世界へ〟と言う一丁目一番地を肝の肝まで叩き込んで1mmもブレずにそれをやったのなら、大きな成果を生み出した事だろう。しかしその一丁目一番地は、やがて二番地へ行き、三番地へ行くかと思ったら隣の市に行ってしまった…そんな展開になった訳だ。数日前にマークにそれを言うと、全くの同意見だった。同意見だったからこそ、言う気になった。

 故に今抱えているF1とは別の新規プロジェクトは、慎重かつ原点を忘れずに取り組むつもりだ。
 その発表日を考えているが、現段階でF1の一番遅い発表はフェラーリの3月10日だ。メディアやファンが落ち着きを取り戻す3月25日あたりが発表の場としては適切なのではないか?と考える。

 そう言えば、先日、ウチのUKのマネージャーになったケルビンが、あるGTメーカーの件で話しをしないか?と言ってきた。それは今、話しをしているメーカーとは異なるが、これもまた非常に興味深い案件だ。

 いずれにしても慎重に情報を集める時である事は確かなようだ。そして先人たちの犯してきたミステイク。それは毒が入っているか、ネズミがフンをしたか分からない目の前の饅頭にやたらと食いつかない事を肝に命じる事だと思う。


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