新型コロナとIR族議員の罪と罰-2



2019年 5月 ゴールデンウィーク

ガイドの仕事を引退した義母だったが、指名や大物、付き合いの長い人が来るとお呼びが掛かる。
このGW、“偉い議員さんが来る”との事で仕事に出かけた。
アテンドしているはずの時間に娘である家内に電話が来た。
『あなた達のテナントに千◯ってお好み焼き屋さん入れないかね?』

家内は怒っていた。
「こっちがやっている仕事をあちこちで言うな!」

どうやら“偉い議員さん”は関西の方らしい。また大阪の有名な飲食店の名前を出せる立場の方らしい。が、それ以上は言わない。

実は私はその前からピリピリしていた。

なぜなら各大臣のGWの公務や行動日程が発表されており、その中で当時の石井国交大臣(以下、石井元大臣)がマカオに来ると言う。自分達としてはどうしても伝えたい事があった。大臣もその秘書も自分の友人がよく知っている方なので、伝えたい事がある旨を友人へ伝言に託した。

帰ってきた返事は
『いかなる方であれ、IRに1mmでも関わっている方とは今回は会えません』
清廉潔白な石井元大臣らしい答えだった。在任中、ただの一度も問題を起こさずに任期を終えた方だ。

後日談だが任期を終えた後、友人に任期終了の挨拶のメールが秘書の方から来ていた。
チラ見をさせてもらったが『一切の事故無く〜』と言う趣旨が書かれていた。あの手この手で蹴落とそうとする輩がいる魑魅魍魎の政界で、何事も無く終えると言うのがどれだけ大変な事かが滲み出るような内容だった。

マカオでの大臣との面談は叶わなかったが、メールで要望は聞くと言う返答だった為、メールを書く準備をした。が、しかしそこで何か勘が働いた。

この時期にマカオ来るっておかしくないか?

そもそも論に自分自身が傾いた。

私も大臣に伝えたかった趣旨はその部分だし、ちょっと待て、石井元大臣だって、そもそも敵か味方かも分からない。と、したら来る目的は何?

と言う考えが浮かび、冷静に考えると会えなかったのが逆に良かったのかも知れない、と言う考えに変わってきた。

我々が会って伝えたかった事。それは一点。マカオの地元のIR業者の疑問だった。

『自民党・公明党じゃない、聞いた事が無い名前の政党が日本のカジノの利権を持っていると聞いている。法案も通過しそろそろ姿形が見えつつあるタイミングなので、マカオのIR事業者として挨拶をしに行きたい、とその聞いた事が無い政党名のコーディネイター(マカオ在住者)に言ったら『今はまだ早い』と言われた。早く無いでしょ?これからやる。法整備も始まる。どうして早いの?そもそもその聞いた事が無い政党名の方って本当に日本のカジノの権利を持っているの?みんなおかしいと言っている。』

これを確認したいだけだった。

自分達はこのIR事業者に事務所も店も借りている。ましてオーナーはマカオの全人代のメンバーだ。万が一にもペテンにかける話になったらまずいでしょ?
この一点の疑問と心配だけだったが、このGWの石井元大臣の公務日程を見ると“訪問先は後日発表”となっていた。つまり公務であるのに“発表できない”内容なのか、と思い尚更、訝った。

そう考えると秘書にメールを書く気持ちが憚られた。“敵か味方か”が分からなくなる思いは日増しに強くなった。結果、メールは出さず、後日、怒られた。仕方が無い。あのタイミングは今考えても出すべきではなかった。

話しは飛び、GWが終わると公務日程が発表されていた。
Wynnとメルコ(City of Dreams)に訪問している。

AGB Nippon 2019/5/8の記事より
 引用元:AGB Nippon

2019年5月7日 国都交通省発表記事

これはパッと見は二つのIRへ行った様に見えるがカジノライセンス上で言うと一つのライセンスだ。
COD(メルコ)はライセンスを持っておらず、Wynnのサブ・ライセンスでカジノをやっている。それを考えると、石井元大臣のWynnへ行きCOD(メルコ)へ訪問は理に叶っている。つまりは本命はメルコと読み解いた。

その後の動きはこのこのBlogのその1へと話しは戻る。

新型コロナとIR族議員の罪と罰-1



さて時計の針はあちこちへ飛ぶが、今度は2020年4月、コロナ激震中の今へ戻る。コロナ騒動で大概の事件は吹っ飛んでいる今だが、これは流石にびっくりした。

マカオ疑惑の総本山の鮨屋 あっさりと廃業




流石にここまでやるかね?と思った。直営店である。メルコは従業員を大事にする会社と言う“ウソ”をカネ掛けて必死にPRしているのに、これかね?で、ある。

そして激震の二発目がこれ。
その1でも書いたクラウン株。オーストラリア当局から疑惑の目を向けられながらの再婚と思いきや、あっさりと放出である。

二年前に離婚。昨年、電撃の再婚発表後の再離婚。男女の中なら犬も喰わぬが、上場企業としてはあり得ないレベルの迷走だろう。何よりも考えられるのはメルコは“カネが無かった”と言い切れる。マカオでこの様なリストラクチャリングをやっているのはメルコだけである。
1兆円を投資すると豪語していた会社がコロナで経済が閉鎖しているとは言えこの為体である。常識では考えられない無様な姿がそこにある。

さて、これらの事実をキチンと時系列に並べて考えるとそこに隠されている何かが浮上してくる。それは何か?は次の【3】で綴る事にします。


PREMOA(プレモア)