オフショア問題についてガラにも無く考えてみた

 熊本の地震の直前。
もっともホットな話題はパナマ文章でしたね。その震源となっている"オフショアカンパニー"。


 ネット上では"オフショア=脱税"と言う短絡的な文字が飛び交っていますが、もっと酷いのになると香港ですら"税金が無い国"等の情報すら飛んでいる状態なのです。

 友人が『いやぁ、貧乏と無知は罪ですよ』と言っていたけど、言いえて妙だと感じました。知らないと何でもカンでも"悪"になり、自分の範疇の知っているせいぜい刑法に引っかからない程度の事だけが"善"となる。

 北朝鮮の人民が日本にいる家族に宛てた手紙を見た事がありますが
『ここは良いところだ。日本は酷いでしょ?お肉もお魚もあるよ。だからあなた達も早くこっちへおいで。それと少しお金を送ってください。』
と言うのを見た時に胸にグッと詰まるものがありました。無知な書き込み等を見るとその手紙を見た時と同じ気持ちになります。

 弊社でもオフショアカンパニーは何社も販売している実績がありますし、そもそも自分たちの住むこのマカオは法人税も無く個人所得税も事実上無いオフショアなのです。国際的なビジネスをするのにはまこと都合が良く便利です。

逆の事を考えた事があります。

 もしもこの小さな海に囲まれた地域がカジノもオフショア機能も無かったらどうなっていたのでしょうか?否、オフショアの地域なんてみんなそんなものなのです。彼らは小さな漁しか出来ないようなところで"何ができるか?"を考えた結果が今の姿なんです。

 それをどう使うかは"使う側"の問題であり、オフショアそのものが悪い訳ではありません。
ですから、どこかの記事で読みましたが〚オフショアの問題はその殆どが適法である事だ〛と言う書き出しを拝見しました。まさにその通りだと思います。

 ネットでは『オフショアにある大企業のカネを本来の所在地に戻せば云々...』と言うのも読みました。これは全く論理が飛躍しすぎていて、それであれば『日本法人が海外で展開している事業を全部日本に持ち帰れば雇用も云々...』と言う展開も出来てしまうのです。
 もしそれが悪であると言うのであればアフリカの小国で一日1ドルにも満たない労働賃金でダイヤモンドを掘らせ、原価1ドルに満たないダイヤの原石を転売して暴利を貪る方がよっぽど悪です。事実、日本人がそれをやっているんですから。

 例えば…ですが、マカオから中国への送金はできません。
気の遠くなる様な書類を積み重ねてやっと実現します。
 日本から中国へ簡単に送金できますが、中国から日本を含めお金を外国へ出すのは一苦労します。5万円から20万円位は別として、それ以上となると一般人では基本的には出来ません。

 なのでタマにSNSの個人のプロフィールで
『日本の金融状況の危険度を顧みて、云々...』
から始まり
『資産は中国を始めとするアジア各地域に分散しております』
とキタ日には立ちくらみがします。

「あれ、どうやって出すんだろ?」と他人事ながら気を揉んでしまいます。

その時になって『話しが違う』と騒いでも後の祭り。
一時期、中国銀行の定期預金が年7%と言う事で懸命に勧誘している業者がこのマカオにもありましたが、後の事、どうするんでしょうね?

やっぱり友達が言う通りなんでしょう。

無知は罪なんです