視察のコース設定についてはかなり悩んだ。南からか?北からか? 最初に日本に近い感覚のところから始めると最後の方になって段々、重苦しくなるんじゃないか?と思い、まずは北の政府系からとした。そしてある意味、中国の中では良い意味で少し異質な珠海へと流れ最後にマカオとした方が変化が分かるかな?と、思った。
こう言う視察を組む時は順序がとても大切で、その旅程がひとつのストーリーの様に設定しなければならない。うまく組めればツアーそのものが立体感を帯び、知りたい側も『あ、そう言う事か!』と言うフィーリングを摑みやすい。 と言うより、摑んでもらわないと意味が無い(笑)
同時に自分も再確認である。朝令暮改が当たり前の中国である。去年、会って話したから大丈夫と思っていたら大間違い。今年は全て変わっているなんて日常茶飯事だ。 また視察に来た方々が間違えの無い方法でこのエリアで事業を展開できるように噛んで含むように何度も何度も同じ事を説明する。
自分の場合いつも先に結論を伝えている。 大体の場合、相手はこの段階でかなり面食らう。 しかし日程が進めば進むほどこちらの言っている意味が分かってくる。そしてディテールを確認していくとある段階から急に全体像が鮮明に見えてくる。そうなる為に答えを先に言っておかないと、知れば知るほど、見ればみるほど混乱してくるのだ。そうであってはならない。 目的は『知る事』と『理解する事』だからだ。
理解できればアプローチの方法へと舵は切られる。 中国モータースポーツは入り方を間違えると最後は辞めるまでカネを払い続けるだけになる。 所詮、改造マーケットは基本的には許されていない国。となると、この狭いレースフィールドしかビジネスが出来ない。仲間、友達で入れる場合はカネはいらない。そこを勘違いして契約が欲しい故に一度でもカネを払うともうビジネスとしての軌道には永遠に乗れない。最初の入り方が重要なのだ。
今回、久しぶりに会う人、いつもあれこれ電話で無理難題をお願いしている人、逆にいつもうちにあれこれ頼んでくる人、 会う人、会う人また楽しく充実していた。残念なのは予定していたプログラムの70%しか達成できなかったこと。しかし内容的には十分ではないだろうか?と思う。
あとはそれを『どう感じて』『いつ』『誰が』やるか?だけ。 希望としては自分もやりたいがそれは相手が決める事。 別に自分が選ばれなかったとしても文句を言う筋合いではない。 ただ、別のパートナーを選んだ時、ミステイクだけはしないで欲しい。 そしたら元の木阿弥である。
日本の企業の中国本土での状況について、中国側の皆が皆、『元気ないねぇ』と言った。そんな事は十分に分かっている。しかし彼らはこうも言った。 『米国や欧州であれだけ成功しているんだから、中国だけ出来ない訳は無い』 隣人愛を感じた瞬間だった。また食事中に家内にポロッと極秘情報をくれた。ここを聞き逃したらOUTだ。 ともあれこれからリポートとさらにもう一歩踏み込んだプランニングを書かなければならない。
大変な作業だ。
ひと文字、ひと文字に魂を宿らせるようなリポートに仕上げようと思っている。 夏休みは当分先だ…